2008

06.04

NOW HERE:木原音瀬

NOW HERE (Holly NOVELS) (Holly NOVELS)NOW HERE (Holly NOVELS) (Holly NOVELS)
(2008/05/29)
木原 音瀬

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読む前はあらすじからオッサン受に萌えようと思っていたのですが、読んでみたらどちらかというとわがまま攻のじたばた振りに萌える内容でした。
オッサンの方は心情が表面的なものしか判らなかったのでなんだか印象薄かったです(もっとオッサンもぐるぐるして欲しかったんですが)。そういう意味ではやや物足りない。
その本文で足りない分のオッサン受萌え成分は挿絵が補っていたように思います。
鈴木ツタさんの挿絵がステキ過ぎます。押し倒したら「ペショリ」と乾いた音がしそうなショボいオッサン、良いですね。
っつか普通の絵は見ごろの花と蕾くらいしか描かれないのに、終わって萎んでしまった花まで描かれている表紙からツタさんが「オッサン」に並々ならぬ情熱を向けているように思われるのは気のせいでしょうか。
振られた後になって主人公が必死になるというのは木原さんのいくつかの得意パターンの一つのようです。
で、今回はその典型的なパターンで、相手が大人しくて初心で生真面目過ぎて小心といっていいオッサンとくれば、まあ展開はかなり限られてしまうので、そのあたりのおおまかな流れはいっそ無難過ぎるといっていいくらいワンパターンなのですが、そこはソレ、オッサンの可憐さで相殺します、個人的に。
オッサンがリボンを付けて「私をどうぞ」って。福山(攻)さんアンタ、ドリーマー過ぎでこっちがニヤけるくらいキモいわ! 引きつつも萌えたけどね!!(←キモっ)

見所はひたすら打ちのめされる主人公・福山の描写でしょうか。
遊びのつもりがハマって本気だと意識して、イチャラブ全開で浮かれていたら一転捨てられて、挙句相手はなんか被害者面でそれでも復縁を期待して裏切られて、でもやっぱりあきらめ切れずにまた期待する…。
切ないといういうか、読んでいて哀れになります。どつぼというかズンドコどん底って感じです。
また相手の仁賀奈がこと恋愛に関して無神経で(これは攻も悪いと思うんだけどさ)傷口にごっそり塩を盛って塗りこんでいます。
木原さんは「美しいこと」に続いて「生真面目でお人好しの無神経」を書かせるとうまいです。読んでいるこっちが (ノ∀`)アチャー となる言動の波状攻撃です。
傍若無人攻も相次ぐ無神経攻撃に振り回されっぱなしで心身ともに疲労困憊。
まあ最初にうっかり手を出しちゃったのは攻本人なわけで、付き合っている間中相手を見下していてそれでも好かれていると思い込んでいたんだから自業自得なんですけど。
でもさあ「自分からだと分からなければ大事にしてもらえる」とか思ってお見舞いの品物選んだりする(明後日の分まで)健気さには萌えてしまいます。
福山、やっぱりお前ドリーマーだよ。

物語やキャラクターに面白みがあるというよりは、散りばめられたエピソードに萌えられるか否かというのがこのお話の好き嫌いの分かれ目になるような気がするのですが、私は「オッサン受、しかも51歳。攻との年の差20歳」設定にまずツボッてしまったので好きです、これ。
枯れているけどもう少し強かなオッサン(樹生さんの「黄昏に〜」シリーズくらいの)だともっと嬉しかったんですが、とにかく枯れ系オッサン(over45くらいで! いや、ちょっと譲って←何様? around40でもいいです!)BLがもっと増えると嬉しいと思います。

まずは鈴木ツタさんに期待したいところ…。

【BL小説:作家か行】  【記事編集】
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